屈葬

埋葬

葬儀の形式:屈葬とは?

葬儀にはいくつか種類があり、宗教や宗派によって葬儀の形式が違っている事もあります。
現在の日本では火葬が主流となっていますが、近年まではそれ屈葬という形式の葬儀が主流となっていました。
日本では座棺と呼ばれる棺に亡くなった人の遺体を入れて土葬するという屈葬が主流でしたが、この屈葬は日本以外ではアフリカの一部地域にしか見る事ができない珍しい葬儀の形式でした。
現在では行われていない屈葬ですが、一体どのような理由で屈葬を行うようになったのでしょうか。

屈葬が行われていた明確な理由はありませんが、いくつかある仮設のひとつとして体育座りという胎児の姿に似せた格好を死者にさせる事で死者の復活を祈るという意味合いがありました。
屈葬が行われていた頃の日本は現代のように医学や科学が発展していなかった事もあり、死者の復活などを信じている人も多かったため、屈葬といった形式の葬儀が行われていたようです。
肉体を失ってしまうと、もし死者が復活しようと思っても肉体がないため復活できずに霊となってさまよってしまうと考えら得ており、それを避けるためにも屈葬という文化が根付いたとも言われています。

またもうひとつの仮説として、体育座りという休息する格好をさせておく事で、故人が死後の世界で少しでも安息する事ができるようにという思いがあったとも言われています。
特に儒教の影響を受けた後では輪廻転生や死後の世界がより大衆に信じられるようになっていましたから、死後の事を思って遺体に対してさまざまな事を行うようになっています。
屈葬こそ現在は行われていませんが、それ以外に現代でも死後の世界で死者が困らないようにしておくべきものとして、例えば冥銭など死後の世界で故人がお金に困らないようにといった副葬品などが伝えられています。

屈葬は葬儀の形式のひとつで、現在は行われていませんが近年までは日本で主流となっていた葬儀の形式です。
その理由は明確ではないものの、日本に伝わった大陸の文化である儒教の影響が色濃く見える部分も多くあり、故人のために行われていたとされています。

屈葬と火葬

日本では火葬という文化も仏教とともに伝わっていましたが、屈葬が行われていた頃はあまり良い受け止められ方はしていませんでした。
これは儒教の影響で、儒教において火葬は魂の還る肉体を壊してしまう行為と考えられていたためです。
その影響を強く受けていた当時の日本では火葬は忌み嫌われ、土葬である屈葬が主流となっていました。
火葬をする事は故人の肉体が失われてしまうため、そこに強い忌避感を感じていたようです。

またこういった考えは儒教以外にもキリスト教やイスラム教でも主流で、これらの宗教・宗派では屈葬ではありませんが、現在でも土葬が好まれています。
肉体が失われることに対する強い拒否感を持つ宗教や宗派は多く、故人がどういった宗教に入っていたかで葬儀の形式は変わります。
現在屈葬を行う人はいませんが、日本人の感覚で葬儀を考えてしまうと違う形式の葬儀に参加した際に、思わぬトラブルを招いてしまうかもしれまえん。
屈葬を始め、さまざまな形式の葬儀がある事を知っておく事は、そういった他の宗教・宗派への理解を深める機会ともなるでしょう。