グリーフケアの重要性

乗り越えなくてはならない悲しみ

配偶者や子供、兄弟など、自分にとって身近で大切な存在が亡くなってしまったら、深い悲しみに襲われることは当然だと言えるでしょう。
人間から「死」が切り離せない以上、誰もが抱え、そして乗り越えていかなくてはならない感情であると言えるのではないでしょうか。
グリーフケアという言葉は、近年日本で定着しつつありますが、まだ「当たり前の支援」として存在しているわけではありません。
では、なぜグリーフケアは必要とされているのでしょうか。
これまで、大切な人を亡くした後の悲しみは、残された遺族同士で共有し、心の整理をしていくことで、癒されてきました。
が、現代では核家族化が進んでいますし、また高齢化社会にもなっています。
これまでのように「当たり前のように家族みんなで悲しみを共有し、乗り越えていく」ということが難しくなっています。

悲しみの度合いは異なる

また、家族で支えあい、故人の死を乗り越えていく過程で、同じ家族でも故人との間柄によって、その悲しみの種類や強さに違いがある場合があります。
こうした場合には「私はこんなに悲しんでいるのに、あの人は・・」と、新たな溝を家族の間に作ってしまうことにもなりかねません。
大切な誰かを亡くしたときに、悲しみをどのように表すのかは、個人個人によって大きく違っています。
「悲しみの表し方はみんな違う」ということをしっかりと理解し、それぞれを尊重していくことも、グリーフケアの重要性と言えるでしょう。

深い悲しみを見過ごさないためにもグリーフケア

また、深い悲しみに襲われたときに、専門家の手助けや治療を必要とされる方もいます。
「親しい人間を亡くしたのだから、悲しいのは当たり前。
そっとしておこう」と、見過ごされてしまうことも多かったのですが、手助けなくしては、立ち直れないという方もいらっしゃいます。
そうした方を見過ごさないためにも、グリーフケアは重要だと言えるでしょう。
グリーフケアの基本的な考え方としては、遺族の悲しみの表現を、ありのまま受け止めることとなります。
泣いたり怒ったり、落ちこんだり・・と、悲しみの表現は人それぞれです。
落ち込んでいる人を見たら、「大丈夫。
もっとしっかりしなきゃ」「落ち込んでる場合じゃないでしょ」などと、励ましたりしたくなるものですが、そうしないよう気をつけることが必要となります。
悲しみを表現するということは、日本ではあまり一般的な考え方ではないように思われます。
特に大人の男の人は、「残された遺族を支えるためにしっかりするべき」といった考え方が深く根付いています。
が、悲しみを表現し、心の整理をしていくことは、喪失感から復帰するための重要なプロセスとなります。
無理をして悲しみを押し込め、大丈夫と言う場合、より大きな悲しみを心にため込んでいる場合もあるので、注意が必要です。
相手の話を聞き、そっと寄り添い、そして相手に治療や専門家のサポートが必要だと思われる場合には、そうした専門家やグリーフワークの会などを紹介する、というのも大切なポイントとなるでしょう。