誰にでも起こるものだけど・・

寂しさに打ちひしがれる女性

生きていくためのプロセス

愛する人の死に触れ、それを乗り越えていくときに、グリーフワークは誰にでも起こる正常な反応です。
ショックで茫然自失とし、大きな悲しみに号泣したり、怒りを表したり、自分を責めたりしながら、少しずつ、故人の死を受け入れ、自分の中で消化し、新たな自分の人生を生きていくことになります。
グリーフケアをしようと、悲しみを抱えた方の近くにいると、「これは本当に大丈夫な状態なのか。
」と心配になってしまう行動をとる方も多いでしょう。
一般的には、死を受け入れて、その後の人生を生きていくための重要なプロセスであり、心配ないことが多いものです。
が、中には病的なグリーフワークを抱えて苦しんでいらっしゃる方もいるので、注意が必要です。

死別後に病を抱えてしまう人も……

愛する人と死別した際、病的なグリーフワークをたどってしまう方がいます。
およそ10~15%の方が、こうした「病」を抱えてしまうとも言われているので、決して珍しいものではありません。
よく見られるのが、グリーフワークが長期にわたり、また慢性的に出てしまうケースとなります。
ショックを受け、どうしたらいいかもよくわからない時期も、もちろんあるものの、そうした時期を乗り越えることができるのも、グリーフワークの特徴です。
しかし、それがもう「病」になってしまった場合には、どれだけ時間が流れても、そうした時期を脱することができない、ということになります。
また、逆のパターンもあります。
この場合は、悲しみが表面に出てきません。
愛する人を亡くしたのに、妙に冷静だったり、淡々と受け止められているように見える場合も、注意が必要です。

抑圧された悲しみ

日本ではまだまだ「仕事のために悲しみは抑えておくべき」といった考え方もありますが、抑圧された悲しみは、癒えることがありません。
いつか何倍にも膨れ上がって自分に返ってくる、と言うことも十分に考えられます。
そういった抑圧が原因で、その後の正常な人間関係が作れなくなってしまったりすることもあるようです。
愛する人の死で、落ち込んでいる人が身近にいたら、つい励ましたくなりますよね。
「大丈夫だよ。」「これから頑張らなくちゃね。」「しっかりしてね。」などといった言葉は、葬儀でもよく聞かれる言葉です。
が、こうした言葉は遺族を追い詰めてしまう可能性を持っていることも、心に留めておきましょう。
なかなか難しいことではありますが、心の悲しみにそっと寄り添うことが必要となります。
もし、愛する人を亡くした方が、グリーフワークをたどっていく過程で、こうした病的な様子が見られたら、薬で状況をコントロールしたり、カウンセリングにより、自分の心と向き合うことが必要となります。
グリーフワークを進めていくことには時間がかかるものですが、こうした「病」についても気をつけておきたいものです。
また、自分の悲しみや感情と向き合うために、お酒やその他のものに頼る、という方法をとる方もいらっしゃいます。
もちろん、悲しみを自分の外に出すために、必要なものである場合も多いのですが、あまりに依存してしまうときには、やはり専門家の手助けが必要となるでしょう。