グリーフワークの経緯

悲しみに暮れる女性

死を受け止め思い出に変える

身近な大切な相手を亡くした後、人は大きな悲しみを抱えることが普通です。
この反応は正常なもので、だんだんと身近な死を受け止め、故人のことを思い出にして、それからの自分の人生を生きていくことになります。
こういったプロセスをたどっていくことを、グリーフワークと言います。
グリーフワークを見守り、そして支えていくことがグリーフケアとなります。
的確なグリーフケアを行うためには、どのような経緯でグリーフワークが進んでいくのかについて、きちんとした知識を持っておく必要があります。

第一段階「ショック期」

一般的にグリーフワークは「ショック期」から始まります。
愛する人を亡くした時に、一番最初にやってくることが多い状態です。
呆然としている状態で、周囲からは、「ちゃんと状況を飲みこめているのか」と心配されることも多いかと思います。
が、愛する人の死を身近に見た場合、大きなショックを受けることはごく自然なことです。
人によっては、どうしたらいいのかわからず、パニックのようになってしまうこともあるでしょう。

第二段階「喪失期」

次にやってくるのが「喪失期」です。
ぼんやりと「あぁ、本当に亡くなってしまったんだな」と実感し始める時期、と言い変えることができます。
最初のショック期のころに比べると、死を現実のものと感じるようになってきていますが、まだまだ「どこか遠くの出来事」のように感じる方も多いものです。
また、急に号泣したり怒りをあらわにしたり、「もっとこうすればよかったのでは」といった後悔の感情など、様々な感情が出てきます。
感情の浮き沈みも激しいのですが、この悲しみをしっかりと表に出すことが重要となります。
周囲は心配になるかと思いますが、このように、深い悲しみを爆発させることも、正常なグリーフワークの一つのステップなのです。
また、この時期には、「亡くなった方がまだ生きているように振る舞う」という行動を示す方もいらっしゃいます。
これも、故人の死を本当に受け止めていくために必要な行動です。
過度に心配しすぎず、そっと寄り添い、見守りましょう。

第三段階「閉じこもり期」

次にやってくるのが「閉じこもり期」です。
死をきちんと自分の中に受け止めた結果、どうにもならなくなってしまう時期です。
愛する人が本当にいなくなってしまったことを、自分の中で受け止めたからこそ、自分のこれからに希望を持てない、どうしたらいいのかわからないと感じる時期になります。
無気力に見えたり、時にはうつ状態になってしまうこともあるでしょう。
「自分がもっとこうしていたら・・」などと感じる方もいらっしゃるようです。

最終段階「再生期」

最後に、こうした心の流れの最後にやってくるのが、「再生期」です。
身近な人の死に触れ、大きなショックを受け、悲しみ、そしてそうした事実を受け止めた後に、その人のいない人生を歩み始める時期となります。
新たな人間関係を築き、自分の人生を生き始めるときとなります。
こうしたグリーフワークには、1~2年は配偶者と死別した時で、2~5年は子供との死別の時ほどかかると言われています。
それだけの長い時間をかけて、人間はゆっくりと、愛する人の死を乗り越えていくわけです。
「もうそろそろ忘れなさい」などの、相手を追い込む言葉は口にしないよう、温かく見守っていきたいですね。